2012年9月10日月曜日

【エフスタイルインタビュー】いち


【1:気持ちが通じたときに仕事がはじまる。】
星野「ただ商品を流通させようと思ったらそれを売ればいいだけだけど、うちは届ける先との関係をすごく大切にしているから、本当に見た目の効率わるい。あるカフェも4年前くらいからそういうお取り引きの話しはあったんだけど、お互いの現場を知ってからにしましょうというスタンスなので、顔合わせながら、会話をしながら進めて行きました。出会いを熟成させて、お互い気持ちがちゃんと通うようになってから商売をスタートするから、その後も長いわけですよね。例えば、取引先に来ていただいて、ここでの作業や仕事の動きを見てもらっていると、「ああ、あの部屋であんな仕事しながら、こんな風に仕事しているんじゃないかな」って想像できる。そういうことって結構継続につながるんです。例えば、お金を支払ったとか支払っていないとか、自分たちのこういう関わり方をしているのにお支払いいただけないとか。それはお互いの現場を知らないから生み出してしまうこと。私たちは一時的に売り上げをのばすというよりかは、すぐ始めたいと思ったとしても、継続するためにゆっくり時間をかけます。」
五十嵐「すごいタイミングって大事で、特に今回のカフェの件とかはそう思ったかな。こちらに来てもらって私たちの仕事だけを見てもらってスタートするっていう話しではない。お互いにいいお店だなって思っても、本当の意味で今ではないことはお互い感じていて、昨日来ていただいてお話をしたときは本当に今なんだって感じたんです。なんかね、それは会う回数を重ねたからあるっていうわけでもなくて。なんかねこうぴったり気持ちがあう、気持ちが通じたときにはじまるって感じ。でもそれは、仕事だからってわけでもなく、深い関係だからわかるってわけでもなく。やっぱり仕事においてもそういう関係って不可能ではない。」
星野「だから、無理矢理しないというか。嗅覚だね。」


【2:同じ経験を重ねて感覚を近づける。】
山口「ひとりの感覚と別の人の感覚ってあって、エフスタイルさんはいるわけじゃないですか。それで「今だ」って思うタイミングがお2人で同じってことで。それってなかなかないというか。それってどんな感じなんでしょうか。」
五十嵐「まぁ、やっぱり同じ経験を重ねて来ているからだと思います。いつも一緒に居て、2人で取引先の人と会っている。2人は同じことを経験しているから。それだけです。」
星野「西村さんもよくいっているけどりんご1つとっても、りんごってふじとかいろいろある。でも、例えば2人で同じりんごを向いて食べた機会があれば、「あのとき食べたあのりんご」って言うと本人たちは味もにおいもシュツエーションも全部思い出す。「あのとき食べたあのリンゴ」のような経験を重ねていることが、たぶん感覚が会うっていうこと。一緒に居て、その人と話して、感じた空気感がお互いにたまっている。」
山口「それって離れていちゃできないことですね。」
星野「だから、ただセンスとか感じ方とかが似ているっていうよりも具体的に同じ経験をすることがどんな場面においても必要なことだなと思います。そして、私たち2人ともどっちに雇われているわけでもなければ雇われているわけでもない。2人で現場に行くことで同じ立場の同じ経験になる」



【3:2人でつくるビジネス。】
山口「お2人のビジネスの形態はどういう形なんでしょうか。」
星野「個人事業主で、完全に2人代表っていう形です。」
五十嵐「まぁ、よかったなって思うね。今のお話の経験重ねるっていうのは作り手だったり、取引先の人だったりにおいてもおなじで。2人っていう人間が作り手とも関わる。2人っていう単位だからこそ、問題が起きたとしても作り手の人と一緒に経験してどう思うかみたいなことがやっぱりその人たちにもリアリティがある。この2人の人間が一緒悩んで、一緒に考えて、頭にきてるとか喜んでいるとかそういうことも含めて一緒に物作りしている。」
山口「その取引先に必ずお2人で行かれるのですか。1人でいかない理由は経験を共有する以外になにがあるのですか。」
星野「あんまり考えたことないけど、私たちってひとりで完結しているわけではなくて、それぞれに役割と特徴がある。具体的に言えば、経理とか実務的なのは彼女(五十嵐さん)が結構メインでやっている。で、ディスプレイとか、このお店にどんな商材があうかっていう視覚的なことは結構私(星野さん)が担当することが多い。同じひとつの仕事を果たすのにもそれぞれ役割があるから、実際2人で行かないと話しにならないことが多い。片方で取引先に行くと結局こちら側が相手に聞いてみますねってなるし、その伝わり方がまたうまく行かないとかがあるだろうし、次のステップで支障がでてしまうだろうし。でも今後ずっと2人っていうのは難しいと思って、いろいろスタッフの人もって考えるけど。今まで全部の窓口が自分たちで、取引先とやりとりして、デザインして、プロダクト考えて、商品を触って、出荷して、お金のやりとりをしてきた。自分たちが持っている現場をどうやって人に仕事を引き渡せるかなっていうのは考えます。」



【4:やっていて幸せなことと、世の中に求められること】
山口「2人という数について、本(エフスタイルの仕事)に2人であったり、新潟で活動することに限界があるかもしれないと書いてありがましたが、今なにか考えられていることはありますか?」
星野「なんていったらいんだろうな。この本も4年前の話しで今また4年後かたちが違ってきて。自分たちがやりたい、やっていて幸せなことと、世の中に求められていることってあるじゃないですか。できればこのまま裏方でひっそりやっていたいとしても、いろんな人に引っぱりだされて、いろんなところで話をしなきゃいけなかったりだとかして。なんでこんな人の前で話さないといけないんだろうって思うけど、それって自然なながれで。自分たちが本気で考えて、産地の人と物を制作して、出荷して、っていうメインの一番大事な仕事以外にもいろんな仕事が増えてきた。でもそれを完全に切り離して、ものづくり以外の仕事を「ものづくりの仕事があるから絶対いけません」って切り離していいの?って話で。私たちもなぜかよくわからないんだけど、そういう話はぞくぞくと増えていくわけですよね。でも本を書いたり、フォーラムに参加したりして得られることが自分たちに蓄積されて、次につながるエネルギーになっているわけで。だからどっちも大事じゃないですか。そうなった場合にやっぱりこう、自分たちがある程度手触りを感じてポイントさえ押さえていれば、ものづくりの仕事を少し手だってくれる人に受け渡しながら、本業じゃない仕事も全部は無理ですけど世の中にそういう役割があるのであればちゃんとお答えしたいなという気持ちはあります。ただ、本業以外の仕事がメインになってものづくりを見失うっていうのはいやだから。こっちの継続ももちろんやっていくけど。でも今は完全に2人だから、本業以外の仕事が増えていっていて、いまパンパンです笑」









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