2012年9月3日月曜日

【エフスタイルインタビュー】ろく


【21:出会いは才能】
星野「クリエイティブとかデザインとか、いいけどね。ただ、売れなきゃね。もうすごいばっさりしているけど。でも例えば、有名な作家でも無銘な時代があるわけじゃないですか。そんな時代に君やってよって家だったら何千万もですよね。っていうのをボン!って出せる人にであえるかどうかってすごい才能ですよね。だから形になるっていうのは必ず出会いがあるわけですよね。例えば無銘の時代のデザイナーのときにも私たちのマットの工場の社長さんみたいな人が現れて、サンプル代いらないから好きにやってみたらいいよって人に出会えてデザイナーの一歩が踏み上がるわけですよね。さらにそこで作り手さんがつくってくれたものをちゃんと売らないと恩を果たせないから一所懸命売るとか。結局すぐに階段を登りきれなくて一段一段ステップがあるわけで。デザイナーって名前が売れればお客さんついてくるけど、売れるまでどうしているかっていうのが大事な気がしないですか。」
山口「そうですね。」
星野「名もないデザイナーに話しは来ないですよ。どんなに能力があっても。だってものができてこないから。お金がなれば、原材料買えて、製造動かせて、型をつくったりなんなりすることができない。金銭的な体力がないうちに物はできないし。例えばどんなに良いデザインがそこで生まれたとしても、売りたいって言ってくれる人に出会えないと売れないわけで。だからそういうふうに全体を考えると私たちはデザイナーになりたいなんて絶対言えない。」
五十嵐「そうだね。デザインをしたいっていう気持ちと能力があっても、なかなかそれだけでは回っていかない。それ以外のこともできるか、ちゃんとパートナーみつけて足りないものを補いながらまわすことを考えていけるかどうかってことだよね。むずかしい。」
星野「私たち自身がそういうのでひねくれているっていうか。ひねくれているのにデザインをしなくてはいけないというか。やっぱり能力的には自分たちが上がらないといけないから。それはよかったよね。好き好きってなると見失うことは多いけど別に好きじゃないけどデザインをやらないといけないからシビア。」


【22:どこかで人に渡せるものがいい】
五十嵐「自分だけが好きでもだめだよね。他の人も好きだったり。もちろん自分もすきじゃないとだめだけど。」
星野「好きすぎることってあるかしらね。ご飯だべることは好きだね。採算とれないから飲食はできない。」
山口「じゃあ、好きすぎることは仕事にできないってことですか。」
星野「うーん。うーんと、まあそれは技術的な面での好きすぎるだとおもうんですけど。だからどっかで手渡せるものだといいんじゃないですか。好きすぎてできる人もいるからなんとも言えないけど。私たち自身は好きじゃなくてよかったなって。休みは仕事がらみに人と会いたくないし、生活のために仕事をしているのはベースにあるから。ただ、いろんな人にあえていろんな話を聞けるのは好きなことだからよかったなと思う。」



【23:好きでやっているわけではないところにミソがある】
山口「そのリアリティとかジビアとかいう言葉が出てきたんですけど、その現実世界で生きていることを結構大事にされていらっしゃるんですね。」
星野「なんでかって、それもいろんな人とであって学んだんだけど、作り手って代々後を次いでいるわけじゃないですか。別に好きでやっているわけじゃない。そこにミソがあるっていうか。でも好きじゃないけど、続けていくパワーの生み出しどころをちゃんと捉えているから本質的でありますよね。好きに酔っていないというか。別に好きじゃなくて始めたからこそ、その人が本当に大事にしている部分がよりわかるっていうか。そういう人から学んだ部分はおおいですね。でも確かに良い仕事をしているから、すごいなって思います。」
山口「強いですね職人さんは。」
星野「やっぱりそれは世の中に必要とされているからだと思います。例えば親父がなくなって自分がそれを継がないとこのお菓子屋さんのこのふるいが作れないとか、この職人さんのこの道具が自分しかつくれないとなると、世の中から求められるわけで。好きすぎず、その仕事についたっていうのはある種役割を与えられたのではないかな。時代がその人を求めていて、その役割を果たしている。私たちもこの仕事を好きすぎるわけではないけどこの仕事を与えられたと思っていて、与えられたからにはその人たちが自分たちのことをどう捉えて、どういう風に活かしてくれようとしているのかに精一杯こたえたい。だから自分たちがどうしたいっていうよりも、全体をみてから考えますね。たぶん。」



【24:大切にしてきたこと】
山口「そろそろ時間なんですけど、最後になにを大切にされてきましたか。」
星野「やっぱり続けることですね。継続ですね。続けていくから見えていくことがあるから。今の若い人もこれは自分にあわないってすぐ辞めるんじゃなくてつづけてみて、なにをあわないのかを見つけて辞めていってほしい。自分はこの辺をもっと学びたいからやめるとかね。理由がはっきりしているならいいんですけど。いろんな道を知っているからこそ、なんか欲張りすぎるっていうか。」
五十嵐「確かに。成長っていうことが入っていない気がする。今の自分にあわないっていう。あわないかもしれないけどすごい成長できるかもしれないって。なんでも今の自分にってあてはめるとなにもない。」
星野「継続でしょ、最近大事かなって思ったことは夢中になること。我を忘れて集中できることを見るけること。無我夢中なときって変に意識して道を歩いている訳じゃないから。必死に求められることをこなしていって気づいたときにこんなに進んでたとか、こんな景色があったって、自分たちでたどり着いたようでつかされたみたいな。そのほうが自分たちがいきていくための地図が広がりやすいというか。なんかこうちゃんと目標があるより、なんでこんなことやっているんだろうって思っても、今自分に求められていることはこれたって必死こなしていったときに、出会った人とかたどり着いた場所が本当なんだと思う。とにかく自分の手元にあることで必死でやる。」
五十嵐「あとは笑顔。笑い。やっぱりそれを失ったら辞めた方がいいんじゃないかって。別に楽しいとか楽しくないとかじゃないけど。やっぱりすごい楽しいって大事ですよね。空気が変わります。」

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